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■ソマリア沖の海賊
 紅海とインド洋に面するアフリカ北東部の国ソマリアの沿岸部で頻発する海賊事件については国際的な問題でもあり、今更説明する必要もないかもしれません。
 …いや、国会議員でも知らない人がいるようなので一応ご説明させていただきますと、日本関係の船舶だけでも以下のような被害が確認されています。

<主な日本関係船舶の被害>
2007年10月、ソマリア沖で日本企業が所有する船舶「ゴールデン・ノリ」(パナマ船籍)がシージャック
2008年4月、アデン湾で日本企業が所有する原油タンカー「高山」(日本船籍)が襲撃をうける
2008年7月、アデン湾で日本企業が運航するタンカーが襲撃をうける
2008年8月、アデン湾で日本企業が運航する雑貨船が高速船2隻に追跡され発砲を受ける (外務省ホームページより

 ソマリアは20年近く続く内戦により国土が荒廃、無政府状態が続いています。困窮した漁民から、武装勢力の資金稼ぎ、そして密輸団など海賊の正体は様々ですが、ソマリア沿岸部は紅海の出口として船舶の通行量が多いだけに問題は深刻なのです。
 日本でも、死活問題と考える海運事業者らがたびたび政府に対策を講じるよう要請を行っていました。


■日本の対応
 国際的な海賊取締りの機運の高まり(安保理決議第1816号・国際海事機関決議A1002)もあり、日本政府は1月27日、ついに海上自衛隊艦艇の派遣を決定しました。
 この決定は先に与党プロジェクトチームがまとめた中間報告を了承するかたちで行われ、その要旨をまとめると以下のようになります。

(1)海賊対処の主体は一義的には海上保安庁だが、ソマリア沖海賊に海保庁が対処することは難しい。自衛隊法82条の規定に基づく海上警備行動を発令し、自衛隊が対処する。

(2)保護対象については日本籍船、外国籍船に乗船する日本人乗組員・乗客、わが国の事業者が運行する日本関係船舶、日本の貨物を積んだ外国船舶とする。

(3)海賊に対する司法警察業務は海上保安庁が行う。



 つまり自衛隊は自衛隊法82条『海上警備行動』を法的根拠として派遣されるのですが…まだまだわからないことが多いのではないでしょうか?

●『海上警備行動』とは何だろう?
●『司法警察業務は海保庁があたる』とはどういう意味?
●『保護対象』に含まれない外国船が目の前で襲われたらどうするの?


 次回、第二回では『司法警察業務(司法警察権)』を中心に、今回の派遣の法律的問題点を解説していきたいと思います。

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