2007/6/22 金曜日
みなさん、ごきげんよう
ぱりす・あいらんど女王です
 
戦争に参加した人間にとって、時として外交的な終戦が決して“戦争の終結”を意味するものではないことがあります
 
今回私がお伝えするのはそんな物語です
 
『35億円でラオス転覆狙う=クーデター計画の詳細判明-米』
 ラオス政府に対するクーデターを計画したとして、米国内で11人が4日に逮捕された ~(中略)~ 作戦名は「ポップコーン」。約1000万ドルをAK47型ライフルや携帯式地対空ミサイル「スティンガー」など武器購入費に充てるほか、軍事顧問への支払いや印刷経費まで、予算の配分を細かく決めていた。
 作戦計画では、政府施設や道路、空港、メディアをまず掌握し、開始から60日以内に暫定政権を樹立。90日以内に政府幹部を追放あるいは暗殺し、クーデターを完了する予定だった
 
日本では大きな報道がなされなかったこの事件ですが、詳しく調べてみると30年前の懐かしい名前が出てきました。
 
今回のクーデター計画の首魁はヴァン・パオ将軍
 
かつてベトナム戦争の影で展開されたCIAの“ラオス秘密戦争”においてラオスの山岳民族メオの族長として反共部隊を率いた人物です
 
当時、CIAの支援の下でメオ族は武装してラオスの共産勢力と戦いましたが、アメリカのベトナム(を含むインドシナ)からの撤退やラオスの共産主義政権樹立により流浪の民となってしまいました
 
戦後、アメリカに亡命した将軍は今年77歳。
しかし、彼の戦争はまだ終わっていなかったようですね
 

▲あの戦争からもう30年以上のときがすぎようとしているのに…(PHOTO:USMC)
 
彼は当時の部下(逮捕者の大半が50~60歳)や、当時CIA軍事顧問としてラオスで戦った退役米軍人とともに30年のときを超えてラオス共産政権の打倒を目指したのです
 
しかし、実際に勝算があったのでしょうか?
 
わたしにはヴァン・パオ将軍が身をなげうって国際社会にメオ族の現状を訴えたかったように思います
 
今から2年前のものですが、メオ族たちのその後についてレポートした記事あったのでご紹介します。そこではヴァン・パオ将軍自身がインタビューに答えていました
 
『米国のために戦ったラオス山岳民族 ベトナム介入時、CIAが秘密戦争』
 (略)~ラオス情勢に詳しいカリフォルニアの市民団体「事実発見委員会」によると、ラオスでは今もモン族(※メオ族の異称)の元兵士や家族らへの迫害が続いているという。 ~(中略)~ 昨年5月にはキャッサバを探していた13~15歳の少女ら5人がラオス兵にレイプされ、殺害されたという。同委員会のジャー・バンさんは「飢えは深刻になっている。国際社会はラオス政府に人権侵害をやめるよう圧力をかけてほしい」と訴える。
 (略)~75年以降、約20万人がラオスから脱出。米国には10万人以上が移住した。しかし平均所得は約6600ドルで、米国人平均の1/3以下。英語を話さない人の率が高いモン族は人種差別の対象になりやすく、ミネソタ州では「シカの代わりにモンを撃て」というステッカーが販売されるなど社会問題になっている。
 
~(中略)~
 
■我々の犠牲、理解してほしい―旧ラオス王国軍将軍、ヴァン・パオ氏
 CIAのために北ベトナム軍やパテト・ラオと戦った旧ラオス王国軍のヴァン・パオ元将軍に話を聞いた。
 (略)~私はCIAに協力したことを後悔したことはない。ただ、米国民には戦争中に我々が米国のために払った犠牲を認識してほしい。戦争で障害が残ったり、年老いて働けなくなった元兵士たちに米国の退役軍人と同じ補償をしてほしい。

 
 仮に彼が有罪となれば終身刑は免れないでしょう。連邦裁判所には彼の釈放を求めて1000人の在米ラオス人(メオ族)が集まったと聞きます
 
 偉大な戦士にふさわしい名誉ある処遇を求めます