2009/10/28 水曜日
はわわわ~~
大変です、大変ですよ~!
 
護衛艦「くらま」と韓国の船が衝突しちゃいました!
 
『海自護衛艦とコンテナ船が衝突、双方炎上 関門海峡』
 27日午後7時56分ごろ、本州と九州の境にある関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン)と韓国のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)が衝突。双方が炎上した。
(中略)
 「カリナスター」の韓国人の船長(44)は朝日新聞の取材に「前を走る船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(護衛艦が)来ているのはわかり、早めにかじを切ったがぶつかった」と話した。
 
『「大きな火柱立った」陸地からも目撃 護衛艦衝突事故』
 船が衝突したのは27日午後8時ごろ。自衛隊の護衛艦「くらま」は瀬戸内海から関門海峡へと西に進み、コンテナ船は反対側から進んできたという。
(中略)
 「自衛艦の方が汽笛を鳴らし、すぐに拡声機で騒ぎ始めた。その直後、関門橋から200メートルほど東側の海上で衝突した」
(中略)
 当時の潮は東から西に流れていたという。それぞれの船はその後エンジンを切ったようで、潮の流れにのって西の方に流れていったという。
 
ニュースでいろいろと報じられているけど
私たちでもあらためて事件の詳細を確認してみましょう
 
まず、事故現場の関門海峡について…
 
 
関門海峡は中国地方と九州の間、
日本海と瀬戸内海を結ぶ海峡です

「関門橋から東に200m」ということですから
関門海峡が一番狭くなっている場所が事故現場ですね
 
 
事故前の状況は以下のとおりです
 
・韓国船は関門橋を通過し、瀬戸内海方面に(東に)進んでいた
・「くらま」は瀬戸内海から、関門海峡に(西に)進んでいた
・潮流は西向き

 
関門海峡は幅の狭さ、潮流の速さ、航行する船舶の多さから「海の難所」として知られているわね
 
こちらの『関門海峡航行参考図』のとおり
海峡内は原則“右側通行”、衝突の危険がある場合は面舵(右折)なのだけど…
 
・「くらま」は艦首全体が損傷
・韓国船は船首右側が損傷
 
なぜ、右側通行の場所で韓国船は右に損傷を負ったのかしら?
 
「前の船を追い越そうとして、ぶつかった」という韓国船の証言から
 
“韓国船が追い越しのため、航路を左にそれて「くらま」の針路上にはみ出たことが原因”という結論になりつつあるようですね
 
でも、「右に損傷」を受けたとなると
よほど大きく航路を外れたのかしら?
 
おそらく左側に『圧流された』のだと思います
さきほどの『関門海峡航行参考図』関門橋付近をご覧ください

 

※『関門海峡航行参考図』は海上保安庁 関門海峡海上交通センターより転載

 
「東流西流とも航行船は下関側に圧流される」と注意書きがあります
わかりやすく言うと「船が潮の流れで下関側に押し流される」ということです
 
海峡が細くなる海域では潮流が早くなり船舶への影響も大きくなるわ
 
今回の現場海域のように緩やかにカーブする地形では潮流が船舶を予期せぬ方向に押し流してしまうのよ
 
東に進む韓国船はゆるやかに右折する関門橋付近で、追い越しのために左(海峡中央方向)に舵を切ります
当日の潮流は「西向き」、韓国船は潮に逆らう速度の出にくい状況で追い越しをかけたことになります
 
さらに圧流され韓国船は大きく航路を左にそれてしまったのでしょう
 
一方の「くらま」は航路に入り込んだ韓国船への回避行動をとりますが、潮流と同方向に進む「くらま」は簡単に停止することはできません
当日の映像から衝突位置はかなり下関側に寄っており、「くらま」が限界ギリギリまで回避行動を取ったことが伺えます
 

※船は車と違い停止できません。機関を停止しても船は慣性の力で前進を続けます。さらに潮流による影響も受けます
 
以上は『まりたん日記』による事故原因の推測よ
 
今わかる範囲ではあるのだけど、今回の事故はこのような場所での「追い越し行為」に原因がありそうね
 
いやぁ~、昨夜のニュースでは
「隊員の気の緩み」だの
「組織の体質」だの
「あたご事件と酷似」だの
海上自衛隊が、ま~た悪さをしたのかと思ったのである
 
“ま~た”とか言わないでください!
う~、正確な事故原因がわかるまえのコメントは慎重にお願いしたいですよぉ…
 
ともかくも、負傷された海上自衛官の皆さんの回復をお祈りしています
本当に軽傷者のみで助かったことは不幸中の幸いでした
 

<追記>28日 午後21時
 
韓国船の追い越し行為について
「海保庁 管制から指示を受けていた」
という情報が入ってきました
 
『海保がコンテナ船に追い越し誘導 護衛艦との衝突原因か』
 関門海峡で起きた海上自衛隊の護衛艦くらまと、韓国籍コンテナ船の衝突事故で、第7管区海上保安本部(北九州)は28日、同保安本部の「関門海峡海上交通センター」管制官が衝突の数分前、コンテナ船に対し、前方の別の貨物船を左側から追い越すよう誘導していたことを明らかにした。
 
 関門海峡では船は右側航行を定められているが、コンテナ船は管制官の誘導に基づき左方向に進路を変え、くらまと衝突した。同保安本部は「コンテナ船が前方の貨物船に接近していたため」と説明。野俣光孝次長は「管制官の情報提供が事故原因となった可能性がある」との認識を示した。
 
じゃあ、海保が悪いのではないか?
 
う~ん、ちょっと判断つきかねる部分があるのですが…
 
ここで登場する「関門海峡海上交通センター」(通称:関門マーチス)は「指示」を出す機関ではないのです
 
関門マーチスのお仕事について同機関のホームページを見てみましょう
 
『関門海峡についてよくある質問』
A7 : 関門マーチスはどんな担当があってどんな仕事をしているのですか。
 
担当課は、3課からなり、主な仕事はつぎのとおりです。
 
整備課:レーダー・無線回線・電源機器・コンピューター等 の保守・点検
情報課:ラジオ放送(英語・日本語)・テレホンサービス・FAXサービス等
運用管制課:直接船舶(外国船も含む)と無線等で交信し、情報を提供し、船舶の航行をスムーズにしています。なお、外国船に対しては英語を使います。
 
ここにもあるとおり、関門マーチスは「情報を提供」することがお仕事なのです
 
上記の記事にも以下のようにあります
 
(記事つづき)
 海上交通センターは関門海峡を航行する船の位置関係をレーダーで把握、船からの進路の照会に応じたり、無線で注意喚起したりしている。同保安本部は「指示ではなく、情報提供という位置付け」としている。
 
 同保安本部によると、事故の数分前、コンテナ船が前方を航行中の別の貨物船に接近。同センターが貨物船に注意喚起したところ、貨物船から「左側を追い越してもらいたい」と連絡があったためコンテナ船に伝え、対向してくる護衛艦にも注意するよう求めた。
 
つまり関門マーチス側は前方の貨物船と韓国船の情報の仲立ちをおこない
“(追い越すならば)左側から追い越してほしい”と伝えたのだと思います
もちろん、周辺状況を考慮した上で自主的に判断すべき案件として…です
 
しかし韓国船側はこの連絡を“指示”と受け取ってしまった、と?
 
このあたりはまだ情報が不足していますので推測の域をでませんけどね
 
事故原因が早期に究明されるといいですね