2010/5/11 火曜日
■第5回:海兵隊の「抑止力」と展開能力
 
どうも、今回の移転議論では
『有事の運用』が考慮されていないよう思うのだ
 
それが私たちの一番の仕事なのに…
 
有事には何がおこるかわからない
だから、平時から基地運用・部隊運用には『余裕』が必要なのだ
 

※航空基地を「戦闘」と「兵站」にわかるのも同じことです。アメリカ軍基地がやたらと広々しているのも、増援部隊を受け入れるための「余裕」スペースなのです

 
航空機でも艦艇でも、どちらでも展開できる
艦艇には港湾でもヘリでも、どちらでも乗船できる
 
何かが攻撃されて使用不能になっても
何かが代わりになる体制

 
――ですね
 
その余裕が『抑止力』
――攻撃が大変、攻撃しても見合う成果が無い――
という相手方の心理に繋がるのだ
 
さてさて、鳩山首相の「抑止力発言」以降
『海兵隊に抑止力は無い』という反論が
なされているようですが…
 
これについては
今週号の「週刊朝日」がいい反面教師になるので、紹介して解説をしていこう!
 
■■週刊朝日■■
『鳩山首相は勉強のし直しを!
沖縄・海兵隊に「抑止力」なし』を読む
 
(1)海兵隊は小部隊で役立たず?
 
まず、こちらの記事では抑止力について
「海兵隊の存在は(抑止力に)ほどんど関係ありません」
 ―我部政明 琉球大学教授

 
とのコメントに続き
 

※なお在沖縄海兵隊の定数は18000人。戦闘部隊はローテーションで戦地にも派遣されているため現時点での実数は12000人程度とも言われていますが、詳細は不明です。

 
この点を考慮して
以下のように述べられています
 
「グアム移転の後、沖縄に残る海兵隊は第36海兵航空群(ヘリ部隊)と第4海兵連隊(歩兵部隊)です。この部隊は、歩兵1千人と装甲車数両、戦車ゼロ。正規軍とは戦えず、とても『抑止力』といえる戦力ではありません」
―軍事ジャーナリスト 田岡俊次氏
 
●要約
『沖縄には小部隊しか残らないので役に立たない』?
 
間違いだな
 
海兵隊は沖縄の部隊だけで日本を守るわけではない
海兵隊の存在意義は、これまで述べてきた航空・海上両面にわたる展開能力にあるのだ!
 
だいたい、危ない地域に
いちいち大部隊を置いていたら
いくら兵力があっても足りないぞ
 

●回答
沖縄の部隊だけでなく、応援が緊急展開します
そのために受入施設(基地・飛行場)を整備する必要があるのです

 
(2)海兵隊はアメリカ人しか守らない?
 
海兵隊の役割の面からも指摘がなされています
 
「アジア・太平洋で戦乱や暴動などが起きたとき、いち早く現場に駆けつけてアメリカ人を救出すること。日本の防衛ではなく、アメリカ人の安全確保こそが第一の目的なのです」
―軍事ジャーナリスト 田岡俊次氏
 
アメリカの税金で作られた軍隊だぞ!
アメリカ人を先に助けるのが当然だろ!
 

アメリカ人を助けるのは大切な仕事だが
上で説明した『展開能力』を駆使してアジア・太平洋地域の緊急事態<台湾有事/朝鮮半島有事>の「火消し役」をするのも大切な仕事なのだ
 
「火消し役」とは
○事態が小さいうちに部隊を展開して相手の手を封じたり
○より大きな応援部隊が来るまで、事態の拡大を阻止する

―ということですね
 
うん!
海兵隊の自慢は
「世界中のどこにでも6時間以内に駆けつける」
ことだからな
 
陸軍のノロマが大部隊を組織するまで、わたしたちが何とかするのだ!
 
(3)展開計画が不透明、本当に役に立つの?
 
え~続いて
『シナリオ見えぬ、沖縄からの出動』という見だしで
 
「仮に中国との武力衝突が起きたと想定したシナリオでは、海兵隊が大きな役割を果たすとは考えにくい」
―朝日新聞 5月4日付朝刊
 
「北朝鮮の脅威はミサイル。海兵隊は関係ない」
「中国が侵攻してきても大きな役割は果たせない」
と専門家による分析がなされていますが?
 
『シナリオが見え』るわけないだろー!
 
有事の展開計画なんて星のついた司令官の部屋の奥にある金庫に後生大事にしまわれているものだ
 
おまえらが「考えにくい」とか「想定できない」とか勝手な妄想で、海兵隊の役割を決めるな!
 
あははは…
 
北朝鮮に関しては、「南侵」「核攻撃」という最悪のシナリオ以外にも「政権崩壊」という状況も想定される
「政権崩壊」ともなれば無政府状態が懸念されるが、治安回復・安定化のためにアメリカ軍の出動は十分にありえる話だ
 
『「北朝鮮崩壊時、軍隊派遣の必要も」 米研究所が米中韓の対応提言』
 政権崩壊の場合には北東アジア全体の不安定につながる危険があるとして、まず最大の影響を受ける中国、韓国、米国が協力しての共同対応が必要だと強調し、その対応には各国の軍隊の北朝鮮領内への派遣もありうるとしている。(記事抜粋)
 
「戦う」だけが仕事ではないのだぞ
 
もうちょっと勉強が必要だな
 
あ、記事に誤りがあったことも指摘しておきますね
 
<週刊朝日記事より抜粋>
 尖閣諸島などの領土紛争が日中間で起きても、海兵隊が関与する可能性は考えにくい、と孫崎氏はみる
※孫崎氏=(鳩山政権ブレーンで元外務省国際情報局長の孫崎亨氏)
 
●事実
2009年3月、麻生政権(当時)はオバマ政権から『尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲に含まれる』との返答を受けています。
 
まったく、困ったものだな!
 
じゃあいよいよ次回は最終回
まとめをしたいと思うぞ!
 
では、また次回~!