2011/3/26 土曜日

まりたん&じえいたんが国会に突入!?
参議院議員 佐藤正久議員にインタビューしちゃいました!
 

 
<ヒゲの隊長インタビュー!第2回>
■自衛隊の〝一発の重み〟とは…
 
つい先日、東シナ海海上で中国軍のヘリが海上自衛隊艦船に異常接近するという事案がありました。佐藤議員はツイッター上で「中国は自衛隊が武器使用の制限があることをわかっていているから接近を繰り返すとの指摘もある。法整備が必須だ」と述べられていますが、自衛隊員として現場の経験から今回の事案の問題点をどのように考えられていますか?
 
佐藤議員:今回のように情報収集任務にある護衛艦に中国ヘリが近付いてきたとき、自衛隊にできる武器使用は船を守る為の武器使用(武器等防護のための武器使用:編注1)だけです。
 使用にあたっては、まず警告をして、次に警告射撃、そして危害射撃・・・と段階があるんですけれども、その判断基準は非常にグレーなんですよ。どこまで近付いたら撃っていいのか、相手がどのような行動をとったら撃っていいのか、判断がすべて現場任せなんです。
 今回の件に限らず現場の感覚から言わせてもらうと、この「武器等防護の為の武器使用」で本当に警告射撃が出来るかというと、非常に疑問に感じる部分が多い。実際には相手から撃たれない限り撃ちかえすことはできないだろうと考えられています。相手から撃たれるという正当防衛(編注2)の状況にならないと、撃つことができない。それだけ警告射撃というのはハードルが高い。
 何より、現場の一発が大きな外交問題や戦争に発展する可能性もゼロでは無いのですから。
 
編注1:自衛官の武器使用は自衛隊法によって規定されている。「武器等防護のための武器使用」は第95条で認められており武器・弾薬・船舶車両などを警護するために『その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で(条文ママ)』武器を使用できる。しかしインタビュー中にあるとおり『合理的に必要と判断される限度』の明確な基準は無い。
編注2:「武器等防護のための武器使用(第95条)」では『合理的に必要と判断される限度』での武器使用を認めつつ、「正当防衛(刑法36条)」「緊急避難(刑法38条)」の場合を除いて、危害を与えてはならないとしている。『合理的に必要と判断される限度』の基準が曖昧なため、現場では「正当防衛」「緊急避難」を武器使用の根拠とせざるを得ないと考えられている。
 
 
現場の一発が外交問題になる、とはどういうことですか?
 
佐藤議員:多くの政治家の方が理解されていないのは「海上保安庁の一発」と「海上自衛隊の一発」では重みが全く違うということです。
 海上保安庁は海の警察ですよね。警察が治安維持のために一発撃つのと、国防組織が一発撃つのとでは意味合いが違います。自衛隊が撃つということは「国の防衛のため」「国の主権を守るため」撃つということですから、外交的な問題であり、一歩間違えれば戦争状態を意味することにもなってしまう。それだけ重いものとして自衛隊の中では考えられているのです。
 
佐藤議員はイラク復興支援では指揮官として派遣されましたね。そのときの経験を教えてください!
 
佐藤議員:イラクでも、一発を撃つという判断はとても重く、最も緊張が高まったときでも、弾倉を取り付け、薬室に初弾を装填したところまででした。これまで陸上自衛隊は訓練以外では海外で一発も撃ったことはないんです。それだけ自衛隊の一発は重い。
 もちろん必要があれば射撃を命じますが、それよりも撃たない環境を作ることが大切だと考えていました。一発を撃ってしまうことで今まで築き上げた信頼関係を失ってしまう可能性があります。一番望ましいのは〝撃たれない、撃たない〟環境をいかに作るかということ。環境構築こそ作戦の成功のカギだと考えました。
 
 
第2回おわり(全4回)
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■この取材は3月8日に行われたものです。