2012/2/5 日曜日
アメリカ太平洋陸軍司令官
インタビュー!! <その1>
 
てーて てれてて~ てれてってれ~♪
てーて てれてて~てれ~♪
 
……何の歌なの?
あーみーさん
 
「ヒダカ●シキのワシントンレポート」です!
 
……そう
 
皆さん、こんにちは
じえいたんです

私はいま、日米共同指揮所演習
『ヤマサクラ61』が行われている
陸上自衛隊 伊丹駐屯地に来ています

 

演習開会式で壇上に立つ陸上自衛隊中部方面総監 荒川龍一郎陸将とアメリカ太平洋陸軍司令官 ワーシンスキー中将

 
本日はこちらで、『ヤマサクラ演習』のため
来日されたアメリカ太平洋陸軍のトップ
ワーシンスキー中将よりお話を伺いたいと思います!

まず第1部は
「『ヤマサクラ演習』の意義と役割」
と題し、今回の演習の目的について中将に伺います

続いて明日、第2部は
「新国防戦略の下の太平洋陸軍」
と題し今後のアジア太平洋戦略について、引き続きワーシンスキー中将に伺います

 

太平洋陸軍司令官
フランシス J. ワーシンスキー中将

 ペンシルベニア州ディクソンシティ生まれる。1979年、ウェストポイント士官学校を卒業、歩兵少尉として任官。パナマにおけるジャストコーズ作戦では第75レンジャー旅団第3大隊レンジャー中隊長として参加。アフガニスタンにおける「不朽の自由」作戦、アナコンダ作戦では第101空挺師団第3旅団を指揮。さらにイラクにおける「イラクの自由」作戦では第25歩兵師団の一部として多国籍北部師団の副師団長を務めた。
 殊勲章、銅星勲章(「V」デバイス付き)、戦闘歩兵章(星付き)、上級落下傘降下章(銅星付き)、レンジャー記章。日本政府より旭日重光章、カナダ政府よりカナダ総督褒章を受章。

 
第1部
「『ヤマサクラ演習』の意義と役割」

―中将にお尋ねします。『ヤマサクラ演習』は現在、どのような意味をもった演習となっているのでしょうか?

ワーシンスキー中将:私は過去5年間、ヤマサクラ演習に携わってきましたが、ヤマサクラ演習は大きな変化を遂げていると感じています。それは単に参加者が増えたということだけではなく、能力や内容が向上しているということです。
 技術の発展により、日米の幕僚を集めて演習を行うことが、よりスムーズで容易にできるようになりました。これは日米双方に大きな利点となっており、例えば昨年の東日本大震災における日米の共同活動でも発揮されました。

―アメリカ陸軍は一昨年、日本に「第1軍団前方司令部」を設置しました。この司令部の設置は日米の防衛協力にどのような影響があったのでしょうか?

ワーシンスキー中将:第1軍団前方司令部は〝連続性〟を象徴する組織です。常に日本に存在することで、カウンターパートである陸上自衛隊の皆さんと継ぎ目の無い関係・作業を続けることができます。
 第1軍団前方司令部は、あらゆる任務・活動において中核を為す能力を持ちます。何か事態が発生したとき、すでに日本にあり、自衛隊との連携が保たれている第1軍団前方司令部が中心となることで、よりスムーズな活動が行えるのです。

※補足説明:第1軍団前方司令部は、司令部機能のみの組織であり、常設の指揮下部隊を持たない、非常に小さな組織である。しかし、高度な指揮・通信機能を有し、緊急時にはあらゆる種類の部隊を指揮下に組み込んで作戦行動の中核となることができる。

―『ヤマサクラ演習』での、第1軍団前方司令部の役割を教えてください。

ワーシンスキー中将:第1軍団前方司令部の〝連続性〟は自衛隊との協力において大きなプラスになっていると認識しています。しかし、ヤマサクラ演習には様々なアメリカ軍部隊が参加しており、第1軍団前方が常に中心にあるというわけではありません。
 私は、様々な部隊が参加することは、作戦の柔軟性を高める上でも、演習の能力・内容を強化する上でも、とても良いことだと考えています。陸軍を主体とする演習ではありますが、近年はより〝統合〟色を深めた演習に変化しています(※)。海兵隊、海軍、空軍、さらに関係する行政機関も参加するようになってきました。また地元の行政機関とのやりとりもあります。さらに今回はオーストラリア軍もオブザーバーというかたちで関与しています。

※「統合」:二つ以上の軍種(陸海空・海兵)が一緒に活動することを指す。統合部隊(二つ以上の軍種で組織された部隊)、統合作戦(二つ以上の軍種で実施される作戦)など。例えば東日本大震災では、自衛隊を支援するため、陸海空・海兵の4つの軍種を一つにまとめた「統合支援部隊」が組織された。

―オーストラリア軍が参加したとのことですが、この演習はアジア太平洋地域全体を見据えた演習ということなのでしょうか?

ワーシンスキー中将:その通りです。アジア太平洋地域を一つの戦域として演習を行っています。現代は単純な国家間戦争というよりも、より大きな視点が必要となっています。アジア太平洋地域における経済的要素や、政治の枠組み、様々な文化について考えなければいけません。一国単独で戦い、防衛するのではなく、国際的な協力関係を考慮して、シミュレーションをする必要があるのです。

―ヤマサクラ演習は、特定の国家や勢力を敵として想定しているのですか?

ワーシンスキー中将:いいえ。敵は仮想の勢力にすぎません。仮想の敵は訓練のためのツールであり、〝このような敵が攻めてきたら、どのように対処をすれば良いのか〟という幕僚活動を演練することが目的です。

<第1部 以上>

 
では、まとめます
 
1.ヤマサクラ演習は陸軍だけでなく、海兵隊や海空軍、関係する行政機関も加わり、より〝統合〟的な演習に発展している。
2.ヤマサクラ演習は一国での戦いを演練するものでなく、アジア太平洋地域にまたがる政治・経済・国際関係を考慮した演習に発展している。
3.ヤマサクラ演習は特定の国家を敵としていない。仮想敵は戦争状態を作り出すツールに過ぎない。