2012/9/29 土曜日
■日米共同島嶼防衛訓練 in グアム
 

さて、今回の演習
これまでの演習と何がちがうのでしょうか?

 

■在沖縄部隊との島嶼防衛訓練

 

一つが
初めて在沖縄アメリカ軍部隊と
島嶼防衛訓練を行ったということです

 

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これまでも陸上自衛隊は米本土の第1海兵遠征軍(I MEF)隷下部隊と島嶼防衛訓練を行ってきた経験はあるわね

でも、今回は
海兵隊第31MEUと陸自第15旅団
――沖縄駐留部隊どうしの訓練だわ

有事の即応性向上という面で
重要なことだわ

 

自衛隊からは第15旅団だけでなく
西部方面隊所属のさまざまな部隊から抽出された人員が参加したようです

西部方面隊は九州から沖縄・南西諸島――つまり多くの島嶼地域の防衛警備を担当する組織ですね

 

■揚陸作戦〝指揮〟をまなぶ

 

演習は沖合いに停泊した揚陸艦部隊を起点に
マリアナ諸島の島々で行われたわ

 

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訓練に参加した強襲揚陸艦ボノム・リシャール
佐世保の両用作戦群です

 

たんに〝海岸に上陸〟するだけなく
〝艦艇からの移動〟〝島嶼への展開〟など
より実戦的な訓練が実施された可能性がありますね

 

上陸作戦は海軍・海兵隊の統合作戦となる

指揮権は
両用戦部隊指揮官(海軍)から
上陸部隊指揮官(海兵隊)へと
段階的に移行されるわけだが……

移行中は複数の分野で両者の指揮権が混在する

 

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アメリカ軍は第2次世界大戦以来の様々な経験に基づき、この複雑な指揮移行のノウハウを蓄積しているわ

 

今回、陸上自衛隊は
上陸部隊約30名を揚陸艦「トートゥガ」に送るだけでなく、幹部自衛官5名を揚陸作戦指揮を行う強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」に乗船させています

 

つまり、陸上自衛隊は
上陸作戦の指揮・運用についても
アメリカ軍からノウハウを得ようとしているのね

 

■陸上自衛隊の限界も…

 

一方で、陸上自衛隊の上陸能力は
まだまだ乏しいとも言えるわ

 

今回の上陸は〝ボート〟で行われました
……逆に言えば自衛隊はボート以外の
上陸手段をもたないということですね

 

海兵隊の上陸作戦は
事前の航空攻撃にはじまり、水陸両用戦闘車(AAV7)、ヘリコプター、上陸舟艇など多様な手段・装備によって大規模な兵力を投入するな

現在の自衛隊にはこれら本格的上陸作戦にむけた装備は整っていないのだ

 
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AAV7戦闘車や上陸用舟艇による上陸作戦
(参考画像)
 

ボートでは投入できる戦力は
限られてしまいますし、
奇襲的な方法によらざるを得ませんね

※ウォールストリートジャーナルの記事(http://jp.wsj.com/World/node_518255)では「ボートやヘリコプターで島に上陸し」との記述があり、ヘリコプターも訓練に使用された可能性もありますが、まりたん日記の現地取材では「ボートのみの訓練です」(幹部自衛官)とのコメントを得ています。

 

じゃあ、まとめるわね――

 

■ソフト面
・南西諸島有事の即応部隊同士による訓練であり、相互の連携により現実味が増した
・上陸作戦指揮において最も難しい海軍から海兵隊への指揮移行のノウハウについて自衛隊はアメリカ軍から学ぼうとしている

■ハード面
・自衛隊には本格的上陸作戦にむけた艦艇・車輌などが乏しく、現段階では上陸の方法・規模ともに限られたものにならざるを得ない

(※なお、AAV7水陸両用戦闘車をアメリカより試験購入することが決定しています)

 

はぁ~~
〝島嶼防衛〟への道のりはまだまだ遠いですね!

 

そのために日米同盟があるんじゃないかしら

アメリカはアジア太平洋地域に共通の価値観を
持つパートナーとして日本を選んだ
だから日本が必要とするノウハウを提供するのよ

 

ま! 海上機動・上陸作戦は
海兵隊の最も得意とする能力だ!

知りたいことがあったら何でもいうのだぞ!!

 

はい!

 

――というわけで
今回のグアム演習レポートはおしまいよ

上陸作戦について、ちょっとは学んでもらえたかしら?

 

………わたしはビーチで
あそびたかっただけなんですけどねぇ

 

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演習の最終日、陸上自衛隊トップの君塚陸上幕僚長と
第III海兵遠征軍司令官(在沖縄海兵隊トップ)グラック中将が
太平洋戦争における日本軍戦没者慰霊碑がある
南太平洋戦没者慰霊公園を訪問し献花しました

戦争から70年――
日米はいま、アジア太平洋のパートナーとなったのです